掃き溜めの話

遠足の作文、
徹夜でやっつけた期末レポート
気になる人へのメール、
共通するのは書き出しってすげー迷う、ということだ。
早速迷っている。だから迷っていることを書き出しにする。

文章を頭の中で作るとパンクするので、白紙に文字をとりあえず殴り書きする。そして改めて見直し、書いては消す、書いては消すを繰り返す。殴り書きで満足してしまい翌日になって見直すこともある。「ます」が連投されている。消す。「です」を加える。二重敬語。消す。誤字に脱字。消す。ノリで書いてしまった誰宛でもない愚痴。論外。
あーでもないこーでもない。こうして消しゴムのカスが増えていく。backspaceキーの印字が掠れる。手で払われた掃き溜めが堆く積もりあがる。
その掃き溜めはどこにいくのか。未完成な物語、始まってすらいない物語は進まない、終わりを迎えないままそこにあり続ける。
墓地から召喚したモンスターを生贄に使用したら、破壊されず魔法・罠ゾーンに残ってしまう「リビングデッドの呼び声」みたいだ。DSの遊戯王のゲームではじめて見たときバグかと思った。
デジタル化が進むこのご時世でも、未だに手書きはしぶとく生き残っている。ユーキャンのボールペン字講座って未だに人気なのかな。リブロで本買うとき必ず袋に申し込み用紙が入ってたな。型紙だから捨てるのめんどくさかった。
字が汚くタイピングも遅い僕は時代の掃き溜めなのかもしれない。
「掃き溜めの鶴」がいつか見つかる、とほどほどに期待して。ゴミじゃないかもしれないゴミを気まぐれに生み出していく、そんな場所です。